ジェネリック医薬品について

ジェネリック医薬品について

製薬メーカーは新しい薬を研究開発し「新薬」として発売します。
発売された「新薬」は約20年の間、特許に守られ、開発した製薬メーカーが独占的にその薬を製造販売することができます。
これが「先発医薬品」です。
但し、有効性、安全性を確認するのに約10年かかりますので、独占的に販売できる期間は特許期間の約半分になります。
この20年位の特許期間が切れると、他の製薬メーカーも「添加物・製造工程・剤形」などに違いがありますが、 同じ成分、同じ効果のお薬を製造できるようになります。
これを「ジェネリック医薬品」または「後発医薬品」といいます。

安いのはなぜ?

先発医薬品(新薬)は、その成分から開発し、有効性、安全性を確認後承認されて発売されるため、研究に10年位、その費用も薬によって違いますが150~200億円程度かかるといわれています。
しかし、ジェネリック医薬品はすでに先発医薬品で有効性や安全性を確かめられた成分ですから、承認までの手続きが少なくなり、開発や研究にかかる時間も費用も少なくすむので、国が先発医薬品の2~8割の価格に設定しています。

効果は?

ジェネリック医薬品は、すでに先発医薬品の成分で有効性と安全性が確かめられた後に発売されています。
また、ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ速さ、同じ量で、薬の成分が血液中に入っていくかどうかを調べる試験(生物学的同等性試験)を経て発売されていますので、先発医薬品と同じ効果が期待できます。

品質は?

ジェネリック医薬品も新薬と同様に、品質や安全性の規定を守って製造販売されています。
さらに平成10年からは、従来のジェネリック医薬品の品質を確保するために、品質の再評価が実施されています。
その結果は「医療用医薬品品質情報集(日本版オレンジブックと呼ばれます)」にまとめられ公表されていますし、またホームページ上でも公開されていますので確認することができます。

ジェネリック医薬品の問題点

取り扱っている薬局が少ない

医薬品の種類は成分だけでも約3000種類弱あり、含有量や剤形など違いなどをあわせると約12000品目にもなります。
少し大きめの薬局なら2,000品目程度は扱っていると思いますが、 これにジェネリック製品を全て取り扱おうとすると、医薬品の種類が数倍に膨れ上がってしまいます。
これでは薬局を経営していく事は困難になり、おのずと使う可能性の少ないジェネリック製品は敬遠されがちになってしまいます。
さらに、先発医薬品などは最小包装が100錠から有るのに比べジェネリック医薬品は、500錠、1000錠といった大きな包装が多かったですが、近年100錠包装を販売するジェネリックメーカーも増えていますので、扱う薬局は増えております。

流通の問題

先発医薬品であれば普段取り扱っていない医薬品でも、平日ならすぐに用意が出来るようになっています。
しかし、ジェネリック医薬品になると通常より時間もかかり、中には特定の医薬品卸業者でないと扱っていないジェネリックメーカーもあるのです。
もし薬局で取り扱っているジェネリック医薬品が欠品をした場合、他に取り扱っている薬局が少ないため安定供給ができない事も考えられます。

薬局でのジェネリック医薬品の現状

薬局に在庫が無い

最近ではジェネリック医薬品を取り扱っている薬局が増えてきましたが、それでも全ての先発医薬品に対してジェネリック医薬品を取り揃えている薬局は「無い」に等しいと思います。
一般的には、その薬局で取り扱いのあるジェネリック医薬品が揃えてある程度だと思います。
そんな中、突然、処方せんを薬局に持って行っても「在庫が有りません。揃えるのに時間がかかります。」 などの対応になってしまいます。
そのようなトラブルを未然に防ぐには、事前に「次回はジェネリック医薬品に変更したい」 などの希望を「かかりつけ薬局」に話をしておくことをお勧めします。
そうすればジェネリック医薬品についての説明も薬局の薬剤師より事前に受けられ、きちんと理解したうえで、安全に服用でき「在庫が無い」などのトラブルを避けることができると思います。増えていますので、扱う薬局は増えております。

金額についての誤解

最近、テレビなどでジェネリック医薬品についてよく目にすると思います。
その中には「薬代が半分になります」などのイメージが強く残るものが目立ちます。
しかし、実際に薬局で支払う金額が必ずしも半分になるわけではありません。
薬局で支払う金額の内訳を簡単に言うと「技術料や指導料」と「薬剤料」が一緒になっています。
その中で安くなるのは「薬剤料」の部分だけになりますので、実際に半額になる事は少ないと思います。
ですが、降圧剤・高脂血症などで毎日服用するお薬をジェネリック医薬品に変更すると、投与日数や種類にもよりますが、支払いの差額に満足する方も多く見られます。

ジェネリック医薬品に変更してもらうには…

ジェネリック医薬品を使うには医師の処方が必要ですので、まずはかかりつけ医の先生か、かかりつけ薬局の薬剤師にご相談してみてください。
今現在、日常服用しているお薬をジェネリック医薬品に変更してもらうのであれば、「かかりつけ薬局」で薬剤師に相談をし、自分にとって一番いい変更の仕方を提案してもらうのも良いでしょう。

薬局で相談するメリット

1

せっかく医師に相談をして、「ジェネリック医薬品に変更可」という処方せんを頂き、薬局に行っても、「価格差が無い」・「このお薬のジェネリック医薬品は発売されていない」などのトラブルを避けることができます。

2

ジェネリック医薬品は「先発医薬品と同じ効果が期待できます」というお薬ですので、100%同じ効果が有るとは限りません。
なぜかと言うと、「添加物・製造工程・剤形などに違いがあります」と紹介しているように、全く同じではないのです。
ただし、剤形を工夫して先発医薬品より飲み易くしているジェネリック医薬品も多くありますし、 大半は価格設定を安くしているので、自分の体に合い同じ効果が得られれば、とても良いお薬と言えるでしょう。
ですが、中には「体に合わない」・「検査結果が良くない」などの理由で元の先発医薬品に戻す方が居るのも事実です。
この様な現実を踏まえ薬局では「メリット」「デメリット」を紹介するのは勿論、2種類以上のジェネリック医薬品を変更する際に、 全てを1度に変更するのではなく、1種類ずつ変更するよう勧めています。
例えば、2種類のお薬を変更したとします。
後日、「発疹が出た」などの症状が有った場合、どちらのジェネリック医薬品から発疹の症状が出たのかわかりません。
もしかしたら片方のジェネリック医薬品は自分にとって良いお薬だったかも知れません。
ですが発疹が出てしまえば、そのジェネリック医薬品は服用する気になれないでしょう。
これが、1種類ずつ変更していれば、1つのジェネリック医薬品ごとに確認して判断するので 「自分にとって一番いい変更」ができます。

上部へスクロール